普及地帯(兵庫県)
イ、普及地帯
 兵庫県の中部以北の中山間および平坦に適する。


普及地帯(岡山県)
 岡山県北部山間地帯


来歴
 「中国糯19号」は昭和27年に農林省中国農業試験場(当時姫路市)において「早生桜糯」を母として、「農林22号」を父として人工交配を行ない、翌昭和28年にその雑種第1代を母として「農林22号」を父として第1回戻し交配を行なった。さらに昭和29年に第1回戻し交配雑種を母とし「農林22号」を父として第2回戻し交配を行い、以後系統育種法によって選抜固定をはかったもので、昭和37年2月「中国糯19号」の系統名をつけ、主として近畿、中国の各県に配付し、その地方適応性を検討してきたもので、昭和43年度第2回戻し交配雑種第14代にあった。


形態的特性
 「中国糯19号」は「コトブキモチ」と同程度の稈長で、穂長はやや短いが、穂数はやや多めの穂重型の糯である。草型は「農林22号」をやや小型にしたような感じで、しなやかな感じがする。稀に短芒が認められ、ふ先および芒は赤褐色に着色する。この着色は出穂直後は明瞭であるが、成熟期にはやや淡くなる。粒着はかなり良く、脱粒は難(1)である。
玄米は中粒で、品質は「コトブキモチ」と同程度でかなり良い(4)。


生態的特性
 出穂期は「コトブキモチ」より約7日早く、「マンリョウ」と同程度の極早生(4)で、稈はしなやかでなびきやすい。葉いもち病に対しては「コトブキモチ」と同程度(6)、穂いもち病にはやや弱いようである(7)。白葉枯病に対しては稍弱(7)く、ごま葉枯病にも強いとはいえない。縞葉枯病に対しては普通日本水稲と同じ弱(9)である。カラバエには強く(3)、秋落ちには「コトブキモチ」と同程度でかなり抵抗性がある。


奨励品種採用の理由(兵庫県)
 「コトブキモチ」は昭和26年より奨励品種に編入され、早生糯種として好評を博してきた。しかし近年移り変る農業事情によって、栽培体系の改善、昨期の繰上げなど、採用当時とはかなり趣を異にしてきた。早生糯であった「コトブキモチ」も県中部以北では晩生糯的存在となって、稲作安定に支障を及ぼすようになったり、栽培条件の変化によって採用当時の生産力や、諸特性の優点を発揮するに至らない場合が多くなった。またふおよびふ先に色がないために不便な面もかなり多く、ふ先着色の早生糯の要望が強い。「中国糯19号」はこれらの点を解消する品種として、「コトブキモチ」を栽培している地帯に奨励したい。


奨励品種採用の理由(岡山県)
 岡山県の糯奨励品種はヤシロモチがあるが同品種は中生の晩に属し、北部中山間地帯では出穂がおくれ年により冷害をこうむることが多く、この地帯の安全な収穫には早生種に属する品種が要望される。中国糯19号はその形質は必ずしも十分とはいえないが、早生化によりこの問題を解決し適応地帯も北部山間の東西に帯状に分布し、面積は多いとはいえないが、かなり広範囲に普及されるものと考える。


配付しうる種子量
 育成地:10kg


適地および奨励品種採用予定県
 適地:暖地中山間部の早生糯として適す。
 奨励品種採用予定県:兵庫県、岡山県


栽培上の注意
 「コトブキモチ」と同程度の倒伏抵抗性であるから、多肥栽培では倒伏しやすいので注意する。


戻る   トップページへ

(c)著作権 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究部門 イネ品種データベース検索システム