来歴並びに育成経過
 「水稲北陸103号」は北海道農業試験場上川支場内農林省指定水稲新品種育成試験で昭和12年に「水稲農林1号」を母とし「水稲農林19号」(北海79号)を父として人工交配を行いそれ以来選抜固定を続け育成したもので昭和17年に「1735」という仮称名を付け、昭和20年に「北海103号」と言う系統名を付けて生産力検定試験及び特性検定試験を行うと同時に道内各地にも種子を配付して地方的適否を確めたものである。
 これの育成経過の概要は次ぎの様である。


特性概要
一 熟期は「水稲農林20号」より晩いが「富国」より早く早生の晩に相当する。
二 草型は穂重型であってやや長稈。やや少蘖。穂はやや長く粒着密で稀短芒がある。
三 冷害抵抗性及び冷水抵抗性は共に「水稲農林20号」より強い。
四 いもち病耐病性は「水稲農林20号」と大差ない。
五 耐倒伏性は「水稲農林20号」より弱く「水稲農林28号」程度である。
六 収量は標準肥料栽培では「水稲農林20号」と同程度であるが、少肥栽培および冷床苗栽培では同品種に比べて優る。
七 玄米は中型中粒で品質は「中の上」で腹白やや多く「水稲農林20号」よりやや劣る。
 以上の特性から見て、本系統は「水稲農林20号」を栽培し、しかも同品種の冷害を蒙り易い地帯即ち極早生種の至早生種地帯において、同品種に代り耐冷性品種として栽培するに適し、極早生種地帯においては温冷床苗栽培、早生種地帯においては普通栽培に適する。又冷害の少ない中生種地帯においては水口田用並び少肥栽培用として栽培に適する。


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