| 命名登録理由(奨励品種に採用しようとする理由) |
熊本県は、稲作改善対策の基本的推進方向として適地適品種を前提に、稲地帯区分別品種の作付計画が積極的に進められており、品質向上に大きく貢献している。 自主流通米地帯である山麓準平坦地帯及び球磨地域では中生の「ヒノヒカリ」(70%)の他、早生では「コシヒカリ」・「ミネアサヒ」(8%)、 晩生では「レイホウ」・「ミナミニシキ」・「ユメヒカリ」(14%)が作付されている。「ヒノヒカリ」は、刈り取り時期の労力の競合や、共同乾燥施設の荷受け量の点からみれば、すでに作付は上限に達している。一方、早生品種と極晩生の「ユメヒカリ」は適地が限定されており、今以上の作付拡大は難しい。また「レイホウ」・「ミナミニシキ」は安定多収であるが、品質食味に問題がある。
このため、「ヒノヒカリ」と収穫時期を異にする晩生種で良質良食味品種の導入が望まれている。「西海193号」はレイホウ並の晩生で「ヒノヒカリ」より9日遅い。また、品質・食味が「レイホウ」・「ミナミニシキ」に優り、晩生では「ユメヒカリ」に次ぐ良食味であるので、山麓準平坦及び球磨地域の晩生良食味品種として奨励品種に採用したい。 |
| 普及見込み地帯 |
熊本県:2,300ha
熊本県山麓準平坦及び球磨地域の「レイホウ」・「ミナミニシキ」の全部の計2,300haを対象に奨励品種に採用し本県産米の評価向上を図る。 |
| 来歴 |
| 西海193号は,昭和58年,九州農業試験場において,中晩生良食味品種の育成を目標に,中晩生で短桿の((ミズホ/コシヒカリ)F2//コシヒカリ)F2個体を母とし,中晩生安定良質のシンレイを父として人工交配を行った組合せに由来する。翌年春F1を温室で養成し,夏にF2を直播密播栽培した。昭和60年F3も同様に直播密播栽培した後,昭和61年F4で個体選抜を行い,以後系統育種法により選抜固定を図ってきた。昭和63年,九系809の名で生産力検定試験・特性検定試験および系統適応性検定試験に供試し,平成元年から西海193号の地方系統名を付し地方適応性を検討してきたもので、平成5年F11になる。 |
| 形態的特性 |
| 稈長は、レイホウより7 cm短く、ミナミニシキとほぼ同程度の”短稗”で、穂長はレイホウ・ミナミニシキよりやや短く、穂数はレイホウより少なくミナミニシキ程度の”短稈偏穂数型”の草型である。止葉はよく立ち穂長の割に一穂籾数が確保し易い。粒形は”中”、粒大は”やや小”である。粒着密度は”やや密”で脱粒性は”難”である。芒は無く、ふ先色は”黄白”である。 |
| 生態的特性 |
| 出穂期・成熟期ともレイホウ並かやや遅い暖地では”晩生の早”に属する粳種である。耐倒伏性は短稈であることもあってレイホウよりやや強い”やや強”である。収量性は、小粒であり、ミナミニシキには劣るがレイホウ並かやや劣る程度の”多収”である。いもち病抵抗性遺伝子型は”+”と推定され、圃場抵抗性は、葉・穂ともシンレイよりやや弱い”やや弱”である。白葉枯病抵抗性品種群は”金南風群”に属し、圃場抵抗性はシンレイよりやや弱い”やや弱”である。縞葉枯病抵抗性は持たない。 |
| 品質及び食味特性 |
| 玄米千粒重はレイホウ・ミナミニシキに比べて2g程度小さい”やや小粒”で、外観品質は腹白・心白が少なくレイホウ・ミナミニシキより良質である。食味はヒノヒカリには劣るがレイホウ・ミナミニシキより良く、晩生ではユメヒカリに次ぐ”上下”にランクされる良食味である。 |
| 熊本県で奨励品種に採用しようとするする理由 |
熊本県は、稲作改善対策の基本的推進方向として適地適品種を前提に、稲地帯区分別品種の作付計画が積極的に進められており、品質向上に大きく貢献している。
自主流通米地帯である山麓準平坦地帯及び球磨地域では中生の「ヒノヒカリ」(70%)の他、早生では「コシヒカリ」・「ミネアサヒ」(8%)、晩生では「レイホウ」・「ミナミニシキ」・「ユメヒカリ」(14%)が作付されている。
「ヒノヒカリ」は、刈り取り時期の労力の競合や、共同乾燥施設の荷受け量の点からみれば、すでに限界に達している。一方、早生品種と極晩生の「ユメヒカリ」は適地が限定されており、今以上の作付拡大は難しい。また「レイホウ」・「ミナミニシキ」は安定多収であるが、品質食味に問題があり減少傾向が続いている。したがって、「ヒノヒカリ」と収穫時期を異にする晩生種で良質良食味品種の導入が望まれている。
「西海193号」は、「レイホウ」と比較して出穂・成熟はほぼ同程度で、「ヒノヒカリ」より成熟期で 9日程度遅い晩生の早に属する。収量性は「レイホウ」・「ミナミニシキ」にやや劣るが、品質が良く食味は「レイホウ」・「ミナミニシキ」に優り、晩生では「ユメヒカリ」につぐ良食味である。
以上のように、山麓準平坦地帯及び球磨地域における良食味の晩生品種として「レイホウ」・「ミナミニシキ」を対象に奨励品種に採用したい。 |
| 栽培適地 |
| 暖地の山麓および中山間の平坦地に適する. |
| 栽培上の注意 |
①いもち病抵抗性は葉いもち,穂いもちにやや弱であるので適期防除に留意する.
②強稈であるが,良質米生産のため極多肥栽培は避ける.
③粒厚を確保するため,落水時期を遅らせるなど成熟後期の健全化に努める.
④縞葉枯病には罹病性であるので,防除に留意する. |

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