来歴
 東北58号は昭和16年、農林省農業試験場鴻巣試験地(現農林省関東々山農業試験場)に於いて「東山38号」を母とし、「水稲農林1号」を父として人工交配を行い、昭和19年その雑種第3代種子を宮城県立農業試験場に於ける農林省指定水稲新品種育成試験の供試材料として配付を受け、以後同場並に昭和22年以後農林省古川農事改良実験所(現古川分場に移転)に於いて選抜、固定をはかり、昭和26年、東北58号の系統名を付して以降関係各県に配付して地方的適否を確かめたものである。


形態的特性
短稈である   農林1号程度の短稈である。
穂長稍短い   農林1号よりは大であるが愛子2号、農林17号には及ばない。
穂数は稍少ない 愛子2号程度の少なさである。
芒及ふ先色   無芒でふ先は紅色である。
粒着は密で脱粒は稍難である。
粒は小さく農林1号程度である。


生態的特性
早晩生  農林1号より2~3日遅い早生穂である。
収 量   早生種としては多収であり農林1号より3~4%増収である。
耐病性  特に葉いもちには弱い。首いもちについては農林17号、農林24号程度の抵抗性を有している。
稈の強さ 強稈で農林1号や農林17号よりも強い。
品質   良好である。


採用県において奨励品種に採用する理由(広島県)
 水稲早期栽培面積は災害回避及新作付体系化、労力の配分上から年々増加している。しかし早期栽培用の代表品種農林17号は品質が劣るので良質の品種が要望される。
 東北58号は農林17号より多収で、しかも良質の特性を有し、過去3カ年にわたる試験の結果、極早期、普通早期及び麦跡早期の試験結果は共に極めて良好で早期栽培全地域の品質の改善をはかるに好適するものと考える。普通栽培の極早生として高冷地及び北部地域の一部にも好適するものではないかと考えられる。


配付しうる種子量
 7kg


適地及び奨励品種採用予定県
試験成績の結果から見れば西南暖地早期栽培用品種として瀬戸内の各県平坦地帯に適するものと思われる。広島県に於いては昭和35年度より早期栽培用品種として農林17号にかえて普及に移す予定である。


栽培上の注意
いもち病に対して葉、穂共に弱い方であるから特に注意する必要がある。


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